私のストーリー

原点は小学6年生の頃に抱いたひとつの誓いでした 

小学6年生のある日、
私は心の中でひとつの誓いを立てました。

親戚に重度の自閉症をもつ女の子がいました。
まだ2歳の小さな子でした。

その子とその子のお母さんに対して、周囲の大人たちが理解を示せず距離を置くような言葉を向けている場面を私は子どもながらに見ていました。

「おかしい」

そう思いました。

あの子は意図して障害を持って生まれてきたわけではないはず。
それなのになぜ、大人が排除するような言い方をするのか。
そして、あの子が大人になった時、誰が守るのだろうか。

その時、思いました。

障害があっても自信を持って働ける社会をつくりたい。

その思いはあれから50年近く経った今も変わっていません。

いま振り返ると、これが私の障害者雇用支援への想いの原点でした。

働きたい気持ちが、社会の仕組みに阻まれた日

社会人になった私はエレベーター会社の総合職として営業職に就きました。

バリアフリー化が進めば、障害のある方がもっと自由に街に出られる。
もっと安心して社会とつながることができる。

そう考えて選んだ仕事でした。

その後、もっと障害のある方の近くで支援に携わる仕事をしたいと考え、当時できたばかりのホームヘルパーの資格を取得し、民間のヘルパー派遣会社に転職しました。

しかし当時はまだ女性が母親と会社員を両立するのが難しい時代でした。

妊娠を上司に報告した数日後、私の仕事はすべてなくなっていました。

働きたい。
社会の役に立ちたい。
自分の力を発揮したい。

いくら願っても、それが許されないことがある。

私はその時、社会の仕組みによって人の可能性が閉ざされる痛みを自分自身の経験として知りました。

できないのではない。伝わる方法がまだ見つかっていないだけ

会社を退職して数年後、息子と2人で京都に移り、自宅で学習塾を開きました。

すると、不思議なことに「発達障害のある子」「大きな病気を経験した子」「知的発達がゆっくりな子」など一般的な塾では受け入れが難しい生徒たちが集まってくるようになりました。

大学で障害児教育を学んでいた私にとってその子たちは決して「特別な子」ではありませんでした。

一人ひとりの理解の仕方に合わせ、
言葉を変える。
伝え方を変える。
できたことを一緒に確認する。

マンツーマンで丁寧に関わるなかで子どもたちが少しずつ表情を変え、自信を取り戻していく姿が印象的でした。

できないのではない。
伝わる方法がまだ見つかっていないだけ。

そのことを、子どもたちが何度も教えてくれたのです。

本人だけでなく、受け入れる社会も変えなければならない

しかし、私は大きな問いにぶつかりました。

どれだけ子どもたちの力を伸ばしても、受け入れる社会が変わらなければ意味がないのではないか。

いくら本人が努力しても企業が障害のことを知らなければ、働く側も迎える側も苦しくなってしまう。
障害者雇用を「法律で決まっているから雇うもの」として進めても、現場に理解がなければ長く働き続けることは難しい。

本当に変えなければいけないのは本人だけではない。
企業側の知識であり、現場の関わり方であり、職場の文化なのだ。

そう考えるようになりました。

そして、塾で得た学びをより広い社会へ届けるために、企業研修の世界へと進みました。 

学びと実践を重ね、想いを事業へ変えていく

研修講師として経験を積む中で、もうひとつの問いが頭から離れませんでした。

なぜ障害のある方に対して研修を行う事業者は少ないのだろうか。

そこには
「教えてもわからないのではないか」
「研修を受けても難しいのではないか」
という思い込みがあるのではないか。

しかし私は、塾で出会った子どもたちから何度も教えてもらいました。 

伝え方を変えれば伝わる。
理解の仕方に合わせれば力は伸びる。
誰もが自分の力を発揮できる可能性を持っている。

その確信を深めるために、私は働きながら夜間の大学院で研究を続けました。
テーマは「若年無業者の自尊感情を高める」こと。

学び、研究し、現場で実践する日々の中で、私の思いは少しずつ形になっていきました。

そして修了時、指導教員からこう言われました。

「山田さんはこれを法人化して世の中に広めていくのが仕事なんだから会社を作りなさい。」

その言葉に背中を押されたのが2015年。

株式会社やまだ研修企画の創業です。

働く側と迎える側、その両方に学びを届ける

やまだ研修企画の研修には、他にあまりない特徴があります。

それは障害のある方への研修と雇用する企業への研修の両方を提供していることです。

障害者雇用において、現場が本当に変わるためにはどちらか一方だけでは足りません。

働く方が力をつけても、受け入れる環境が整っていなければ続かない。
企業が制度だけを整えても、障害のある方の力を引き出す関わり方を知らなければ現場は戸惑ってしまう。

だから私たちは働く側と迎える側の両方に研修を届けています。

障害のある方には、自分の力を理解し自信を持って働くための学びを。
企業担当者には、障害を正しく理解し安心して共に働くための知識と関わり方を。

その両方がそろってはじめて、障害者雇用は「義務」ではなく職場の力に変わっていくと考えています。

大切なのは、正しいことだけではなく、伝わること

知的障害のある方への研修では言葉をできるだけ噛み砕き、理解してもらうことをゴールに設計します。

書くことが難しい方には丸とバツで答えてもらえばいい。
長い文章で説明できなくても選択肢を選ぶ形なら理解を示せるかもしれない。

大切なのは、正しく書けることだけではありません。
内容が伝わることです。

そのことを私は、受講者の方から教えてもらいました。

研修とは講師が一方的に教えるものではありません。
相手の理解に合わせて伝え方を変え、学び方を一緒につくっていくものです。

だからこそ、やまだ研修企画では受講者一人ひとりの理解に合わせた研修設計を大切にしています。

障害者雇用は、誰もが力を発揮できる職場づくりにつながっている

障害は特別な誰かだけのものではありません。

私たちはみな、明日突然、車椅子が必要になるかもしれません。
目が見えにくくなるかもしれません。
聞こえにくくなるかもしれません。

でもその時に、その人の力がすべて失われるわけではありません。
たまたま、ある部分が使いにくくなるだけです。

大切なのは「残っている力をどう活かすか」です。

障害のある方が自信を持って働ける環境は、特別な配慮だけでできるものではありません。
それは誰もが安心して力を発揮できる職場づくりにつながっています。

やまだ研修企画は、障害のある方が自信を持って働く力を育てるだけでなく、企業が安心して受け入れ、共に成長できる職場づくりを支援します。

働く側も迎える側も共に学び、共に力をつけていく。
その先に障害があっても自分らしく働ける社会があると信じています。

小学6年生の頃に抱いた誓いを、これからも変わらず形にしていくために。

やまだ研修企画は障害のある方と企業のあいだに学びの橋をかけ、誰もが自信を持って働ける職場づくりを支え続けます。