「叱る」ことは依存

村中直人氏が執筆された「叱る依存が止まらない」(紀伊国屋書店)

私が最近、最も夢中になった本だ。

本書では、「叱る」ことは、ごく一部を除き、相手の行動変容につながらないということを、脳科学の視点から明確に述べている。

ハラスメント、DV、学校でのいじめ私は様々な暴力をこれまで見てきた。

そして、「叱る」ことがあたかも相手のために行われているようにいわれるわりに、相手を苦しめるだけでよい方向には進んでいない矛盾を、いつも感じていた。「叱っても目的は果たされていない」と厳しい目で「叱る」を見ていた。

しかし、一方では、私自身も、自分のニーズをはたすために自分の子を痛めつけ、「叱る」ことを正当化してきた。

恥ずかしく申し訳ない気持ちが止まらない。自分も、「叱る」ことに依存し、それがやめられなくなっていた一人なのだ。

だから、この本に書かれている「叱る」依存のメカニズムは、自分の脳の中をみすかされたような気持ちでもある。

この本を読みながら、はずかしい気持ちを味わい、後悔し、納得し、新たな知見を得られたことに感謝する。

「『叱る依存』が止まらない」 このエッセンス、ハラスメント研修でもぜひ引用させていただきたい。